方形の環濠に囲まれた寺内町『一身田』

一身田(いしんでん)/三重県津市

専修寺
真宗高田派本山専修寺

“高田本山” 専修寺の寺内に広がる町並み

津市の北郊に一身田という一風変わった名の町があります。15世紀に現在の栃木県真岡市高田から専修寺が移ってきたことを機に寺内町として発達。方形の環濠の中にグリッド状の街路が整備され、整然とした町が形成されてきました。

高田本山御影堂

町の中心に鎮座するのは浄土真宗高田派の専修寺。高田本山と通称される地元では名の知れた寺です。寺には国内に現存する木造建築の中でも屈指の規模を誇る御影堂をはじめとする荘厳な伽藍が見られます。

高田本山山門
高田本山山門

個性的な町並みが見られるのは山門前の周辺。山門ひとつ取ってもかなり立派です。

高田本山唐門
高田本山
高田本山
高田本山太鼓門

一帯はグリッド状に街路が伸びており、寺の周囲には様々な門が構えています。

一身田の町並み
一身田の町並み
一身田の町並み

寺内町として発達した一身田の町には仏壇・仏具店をはじめとして多様な店が健在しています。古い建物は下見板張りのものが中心ですが、印象的なのはその黒さ。伽藍の黒さと相まって、地域を特徴づける色となっています。

一身田の環濠

専修寺を含む寺内町は1辺400~500mほどの環濠に囲まれており、町の周縁には濠が残されています。

一身田の環濠と橋
一身田の環濠と橋

濠には赤い欄干を持つ橋がいくつも架けられており、町の内外を意識させられます。濠を一周しようとすると30分ほどの時間がかかり、町の大きさを感じさせられます。

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寺内町としての形態を色濃く残す一身田。寺も町も質、規模ともに充実しており、数時間かけてじっくりと見るに価する見応えのある地です。

(取材年月:2017年5月) 

訪問ガイド

所在地

  • 三重県津市一身田町

アクセス

  • 【一身田駅から徒歩】JR紀勢本線一身田駅から徒歩約5分(0.4km)
  • 【東一身田駅から徒歩】伊勢鉄道東一身田駅から徒歩約15分(1.1km)
  • 【高田本山駅から徒歩】近鉄名古屋線高田本山駅から徒歩約20分(1.6km)
  • 【津方面からバス】三重交通51系統で近鉄名古屋線津新町駅から約25分/津駅から約15分、本山前下車
    ・1日8往復(休日は7.5往復)
    ・53系統で一身田支所前下車あるいは52/56系統で高田高校前下車でもアクセス可能
    ・リンク:三重交通

※2020年6月現在

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