梲が並ぶ木曽川の畔の宿場町『太田』

太田(おおた)/岐阜県美濃加茂市

太田宿の町並み
梲の上がる脇本陣『林家』

“中山道三大難所” を抱える町

太田は木曽川の中流域、美濃加茂盆地に形成された中山道の宿場町です。中山道は太田で木曽川を横切りますが、太田の渡しは中山道三大難所の1つに数えられ、『木曽の架け橋、太田の渡し、碓氷峠がなくばよい』と謳われてきました。

太田宿本陣門

太田宿には最盛期には100軒余りの町家が建ち並び、本陣と脇本陣が1軒ずつ置かれていました。本陣は今や門が残るのみですが、脇本陣である林家をはじめとして数多くの町家が現存し、優れた町並みを形成しています。

太田宿脇本陣
太田宿の町並み

太田の町並みの特徴といてば立派な梲(うだつ)が並ぶ光景。屋根より高く上がる梲は他の町にはあまり見られない独特なものです。

太田宿の町並み
太田宿の町並み
太田宿の町並み

梲のほかにも、焼杉板の焦茶色と漆喰の白色の鮮やかなコントラストも太田の町並みを特徴づけています。

太田宿の町並み

町の中にはいくつか枡形があり、街道は屈曲しながら川沿いを伝っています。

太田宿の町並み

本陣や脇本陣の集まるあたりから離れても歴史的な建築物がいくつも見られ、古い町並みは広範囲に及んでいます。

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中山道の要衝の1つであった太田ですが、意外にも自治体名から「太田」が消えたのは美濃加茂市が発足した1950年代。地名としては存在感が薄らいでいますが、この地が交通の要衝であった名残は4方向に路線が伸びる美濃太田駅の姿から感じ取ることができます。

(取材年月:2019年9月) 

訪問ガイド

所在地

  • 岐阜県美濃加茂市太田本町

アクセス

  • JR高山本線ほか美濃太田駅から徒歩約15分(1.1km)
  • 名鉄広見線日本ライン今渡駅から徒歩約35分(2.8km)

※2020年5月現在

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