杉造りの家並みが続く宿場町『金山』
金山(かねやま)/山形県最上郡金山町
『金山型住宅』という建築類型
秋田県との県境に程近い山形県北部の町・金山。杉の名産地であり、羽州街道の宿場町としても栄えたこの町に整然とした町並みが形成されています。
町の中心部に降り立つと随所に見られるのが大きな断面の切妻屋根を持つ民家。杉板張りの壁と細く突き出た棟木が印象的です。
こうした建物は『金山型住宅』と名付けられ、1985年に制定された景観条例を受けて官民が連携し、保存・再整備が進められてきました。金山型住宅は市街のあちこちに展開されていますが、町役場前の通りに特に多く見られます。
町中には金山型住宅のほかにも立派な蔵も見られます。一部の蔵は再整備され交流施設や資料館として活用されるなど、蔵を生かしたまちづくりも活発です。
金山型住宅や蔵の町並みもさることながら、自然と調和する景観も金山の魅力です。裏通りに来てみると、『大堰』と呼ばれる風情ある水路に豊富な水が流れています。
そして町の縁を流れる金山川には、地元の名産である杉材をふんだんに使用した『きごころ橋』が架かります。
橋の上にはベンチも置かれており、杉材の温かみに触れながら雪解け水の流れる雄大な金山川を眺めることができます。
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地域の歴史や周辺の自然を尊重した丁寧な景観整備は、まちづくりの模範的事例といえるでしょう。
(取材年月:2019年3月)
訪問ガイド
所在地
- 山形県最上郡金山町大字金山407 付近一帯
アクセス
- 【新庄方面から】JR奥羽本線ほか新庄駅から山交バス新庄~金山線で約30分、金山町役場前または十日町下車すぐ
・1日11往復(休日は5.5往復)
・リンク:山交バス
- 【真室川方面から】JR奥羽本線真室川駅から真室川町営バスで約30分、金山町役場下車すぐ
・1日1.5往復
・リンク:真室川町営バス
※2020年6月現在