蔵が点在する県境の宿場町『貝田』
貝田(かいだ)/福島県伊達郡国見町
国見峠を控えた奥州街道の宿場町
福島県と宮城県を隔てる国見峠の南に奥州街道の宿場町として栄えた貝田の集落があります。
貝田宿は最盛期には街道に沿って60軒あまりが軒を連ねていたようですが、たびたび大火に見舞われてきたようです。今となっては宿場町らしい町並みは殆ど残されていませんが、集落を歩いてみると立派な蔵がいくつも見られかつての繁栄が偲ばれます。
街道は福島方から緩い上り坂となっており、集落を抜けると緩やかにカーブしながら国見峠に差し掛かります。集落内にはあちこちに石造の蔵が見られます。
街道の脇には東北本線の旧線の遺構が存在します。国見峠を越える東北本線はかつて集落のすぐ裏を通っていましたが、蒸気機関車から飛ぶ火の粉が建物の屋根に移りしばしば火災を発生させていたこともあり、戦前にルートの付け替えが行われたようです。
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宿場町の原形こそ留めないものの、峠を目前に控えた街道の風情が感じられる貝田宿。国見峠の麓に位置する藤田や峠を越えた先の越河(こすごう)など隣の宿場からもさほど離れていないため、歩いて国見峠越えをしてみても楽しいかもしれません。
(取材年月:2019年6月)
訪問ガイド
所在地
- 福島県伊達郡国見町大字貝田寺脇、大字貝田切内、大字貝田神ノ前、大字貝田山ノ神前、大字貝田町裏 ほか周辺一帯
アクセス
- JR東北本線貝田駅から徒歩約10分(約0.6km)
※2020月5月現在