塩飽大工の技が光る塩飽本島の港町『笠島』

笠島(かさしま)/香川県丸亀市

塩飽本島笠島

備讃瀬戸に構える塩飽水軍の本拠地

丸亀と児島の間の備讃瀬戸に浮かぶ塩飽(しわく)諸島の本島(ほんじま)。近世に塩飽水軍の本拠地として発展し、明治維新に至るまで人名(にんみょう)と呼ばれる水夫による自治が続けられてきた特異な島です。

笠島地区はその島の東部に位置し、近世に形成された町の面影を残す重要伝統的建造物群保存地区です。

塩飽本島笠島

港から細い道を30分ほど歩いてゆくと、緩い下り坂の先に笠島の町並みが広がります。

塩飽本島笠島
塩飽本島笠島

集落の中に入ると狭い路地が縦横に張り巡らされ、まるで小さな迷路のよう。町家や蔵が密に建ち並んでいます。

塩飽本島笠島
塩飽本島笠島
塩飽本島笠島
塩飽本島笠島
塩飽本島笠島

焼杉板の焦茶色と黒瓦や黒漆喰の淡い黒色を基調とした町並みは、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

塩飽本島笠島
塩飽本島笠島

笠島の町の特徴は建築のディテールにこだわりが感じられるところ。切子格子の出窓や小さな虫籠窓、洒落た持ち送りなどの様々な意匠要素がふんだんに取り入れられており、高い技術力を誇った塩飽大工の職人技を感じることができます。

備讃瀬戸

集落を抜けると入江の漁港に辿り着きます。間近に見える瀬戸大橋を挟んで右手に四国、左手に本州が迫っており、この地が水運上の要所であることが窺えます。

塩飽勤番所跡

集落と港を結ぶ道沿いには史跡・塩飽勤番所跡が保存されており、資料館として公開されています。間口の広い長屋門が印象的で、笠島を訪れる際は見ておきたいスポットです。

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瀬戸大橋のすぐ脇にありながら、本四間を往来する人々の目に殆ど止まらない塩飽本島。たまにはその偉大さを感じるべく、児島から丸亀まで、本島を経由して船で渡ってみるのも良いかもしれません。

(取材年月:2016年12月) 

訪問ガイド

所在地

  • 香川県丸亀市本島町256 付近一帯

アクセス

  • 【丸亀方面から】JR予讃線丸亀駅から徒歩約10分(0.6km)、丸亀港から本島汽船で約30分、本島港下船、徒歩約30分(1.8km)
    ・1日8往復(一部牛島経由便有り)
    ・リンク:丸亀市
  • 【児島方面から】JR本四備讃線児島駅から徒歩約5分(0.3km)、児島観光港から六口丸海運で約30分、本島港下船、徒歩約30分(1.8km)
    ・1日4往復
    ・リンク:丸亀市

※2020年6月現在

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