高知の山奥のダム湖畔に佇む町『大栃』
大栃(おおどち)/高知県香美市
国鉄バスの終着駅の小さな町
大栃は高知県を流れる物部(ものべ)川上流域のに位置する町で、旧物部村の中心地です。近辺には目立った市街も無く、山奥に閉ざされれた秘境の町です。
町へのアクセス路は、物部川に沿って伸びる国道195号の実質1本のみ。かつては鉄道の敷設が目論まれ国鉄バスの路線が先行整備されましたが、鉄道敷設計画は頓挫。残された国鉄バスの路線はJRバスに引き継がれ長らく存続してきましたが、2020年に末端区間が廃止されてしまいました。
かつてJRバスが乗り入れていた町の玄関口・大栃駅は今や市営のローカルバスが発着するのみです。
町が広がるのは物部川に築かれた永瀬ダムの湖畔。湖を望むなだらかな斜面地に建物が建ち並びます。
斜面を上ると町の中心部に至ります。商店街と呼べるほどの通りは無いもののの、町の中には様々なジャンルの店舗が集積しています。近辺に大きな市街のない村において、大きな拠点性を誇っていたことが推察されます。
湖の畔には2010年に廃校となった旧大栃高校の校舎が残ります。昨今に至るまで高校が存続していたところにも大栃の拠点性が窺えます。
***
JRバスの撤退や高校の廃止など衰退の波に逆らえない大栃ですが、周辺の市街から隔絶されていたがゆえの拠点性を確かに感じ取ることができる町です。
(取材年月:2018年10月)
訪問ガイド
所在地
- 高知県香美市物部町大栃
アクセス
- JR土讃線土佐山田駅からJR四国バスで約20分、美良布(びらふ)乗換、香美市営バス美良布・大栃線で約20分、大栃下車
・土佐山田~美良布は1日13往復(休日は12往復)
・美良布~大栃は1日8往復(休日は5往復)
・リンク:ジェイアール四国バス、香美市営バス
※2020月5月現在