下関と並び称される北九州の一大港町『芦屋』

芦屋(あしや)/福岡県遠賀郡芦屋町

芦屋

“芦屋千軒”と称えられた河口の港町

芦屋は筑豊平野を流れる遠賀(おんが)川の河口に位置する町です。古くから岡湊と呼ばれ海上交通の一大拠点として栄えてきました。

近世には米国や石炭の積出しで隆盛を極め『芦屋千軒、関(下関)千軒』とまでいわれるほど栄えたそうですが、明治期に入り鉄道敷設を拒んだ結果、港町としての地位を若松に譲り次第に衰退していきました。今では“芦屋千軒”と称えられた立派な町並みを見ることはできませんが、川港町の面影は色濃く残されています。

芦屋

港町として栄えた一帯は遠賀川左岸の西浜町から船頭町にかけてのあたり。川港町らしく町は川に沿って帯のように広がっています。

芦屋
芦屋

この辺りは近代以降大きな土地の改変を受けていないようで、細い街路が網の目のように張り巡らされています。そんな細い街路を散策していると古い民家をいくつも見つけることができます。

芦屋
芦屋
芦屋

川岸から一歩内陸に入った小高い丘には比較的大きな寺社が健在しており、ここにも川港町らしさが感じられます。

芦屋

古い市街が残る芦屋ですが、内陸部は航空自衛隊の基地の膝元として栄えています。基地の前にはアーケードやスナック街などがあり、川沿いとは全く異なった表情を見せています。

芦屋のアーケード
芦屋のアーケード
芦屋のスナック街

片や川のほうに目を移すと対岸の山鹿地区を望むことができます。山鹿は北九州市と目と鼻の先。近年は北九州市のベッドタウンとして発展しており、町の賑わいはそちらに移りつつあるようです。

遠賀川

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自衛隊基地前の商業地や北九州市内へのアクセスの良さを生かしたニュータウンなど新しい市街を擁する芦屋。港町としての繁栄こそ失いましたが、その面影を片隅に残しつつも新しい形で発展を続けている興味深い町です。

(取材年月:2019年5月) 

訪問ガイド

所在地

  • 福岡県遠賀郡芦屋町西浜町、中ノ浜、船頭町 ほか周辺一帯

アクセス

  • 【遠賀川駅から】JR鹿児島本線遠賀川駅から芦屋タウンバス各線で約30分、自衛隊前~港湾緑地前(10、20系統)または自衛隊前~芦屋橋(21、22系統)下車
    ・1日67往復(休日は49往復)
    ・リンク:芦屋タウンバス
  • 【折尾駅から】JR鹿児島本線折尾駅から北九州市営バス90、87、80系統で約30分、芦屋橋~自衛隊前下車
    ・1時間あたり1~2本程度運行
    ・リンク:北九州市営バス

※2020年5月現在

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