町家が高密に建ち並ぶ利根川下流の商家町『佐原』
佐原(さわら)/千葉県香取市
町家の連続性が素晴らしい“町並み観光地”
佐原は利根川下流域に形成された町です。江戸時代に行われた利根川東遷(付け替え)事業をきっかけに水運が盛んになり、物資の集散地として繁栄。利根川支流の小野川沿いを中心に立派な商家が建ち並び、“北総の小江戸”と呼ばれてきました。
佐原の町の中心は小野川と香取街道(千葉県道55号)が交わる忠敬橋のあたり。古い町並みはここから小野川沿いと街道沿いに広がります。
商家町らしく川沿いには階高の高い立派な町家が軒を連ねます。
小野川の河畔には「だし」と呼ばれる荷揚げ用の階段が随所に設けられおり、佐原の景観を特徴づけています。
香取街道沿いには蔵造りの町家が建ち並びます。町家は多くが観光客向けの店舗に改装されているようですが、外観は見事に修景されています。
町家の中に近代建築も紛れており、複数の時代に跨って繁栄を続けた佐原の歴史が見て取れます。
一方、佐原駅方向には2本の商店街が伸びており、ともに昭和の町並みが色濃く残ります。商店街はすっかり衰退しているようですが、年季の入った建物が健在しているのは、後背地が多く郊外化が早くから進んだ結果と思われます。
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川越などと並び首都圏の町並み観光スポットとして名を馳せる佐原ですが、観光客が足を伸ばさない場所にもさりげなく良い町並みが連なります。佐原を訪れた際はぜひ観光地化されていない「陰」の部分も訪れてみることをお勧めします。
(取材年月:2020年4月)
訪問ガイド
所在地
- 千葉県香取市佐原イ
アクセス
- JR成田線佐原駅から徒歩約10分(0.9m)
※2020年4月現在