高原の南麓の宿場町『麻績』
麻績(おみ)/長野県東筑摩郡麻績村
善光寺西街道随一の難所を控えた宿場
麻績宿は中山道の洗馬(せば)宿から長野の善光寺に至る善光寺西街道の8番目の宿場です。
中信から北信へは千曲川の支流・犀川に沿って谷が伸びますが、善光寺西街道が通されたのは聖山の中腹を抜けて稲荷山に抜ける山越えルート。麻績はその山越えのルートのなかでも最大の難所といわれた聖高原の猿ケ馬場峠を控えた山間に位置し、街道の要衝として繁栄してきました。
近代になると街道と同じルートで鉄道が通され、宿場のすぐ脇には麻績駅が設置されました。駅は1976年に聖高原駅と改められていますが、麻績の玄関口として今なお機能しています。
麻績宿の町並みは駅前通りを抜けた先の旧街道沿いに見られます。
駅前通りの突き当りには本陣跡が現存し、土塀や門が良好な状態で保存されています。
本陣のほかにも脇本陣の『瀬戸屋』など古い建物がいくつか存在しています。
麻績の町並みは間口の広い平入屋根の建物が特徴的。堂々とした構えが往時の繁栄を物語っています。
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山間の小さな村である麻績村ですが、立派な建物がいくつも残っており、交通の要衝として栄えたことが窺えます。鉄道が街道に沿って通され宿場のそばに駅が置かれたことが幸いしたのか、比較的活気が残る町並みです。
(取材年月:2018年9月)
訪問ガイド
所在地
- 長野県東筑摩郡麻績村麻上町、麻中町、麻本町
アクセス
- JR篠ノ井線聖高原駅から徒歩約10分(0.5km)
※2020年5月現在