北アルプスに抱かれた自然豊かな山村集落『青鬼』
青鬼(あおに)/長野県北安曇郡白馬村
棚田が広がる伝統的な農村集落
青鬼集落は北アルプス山麓の白馬盆地の外れに位置する集落です。集落には江戸期から明治期にかけて建てられた古い民家が15棟ほど現存しており、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
集落は形成されているのは松本と糸魚川を結ぶ千国街道から脇に逸れた山の中腹。眼下には国内有数の清流・姫川、そして背後には北アルプスの一角・白馬連峰を望むことができます。
集落内に入ると寄棟造の大型の民家が密集する光景が目に入ります。屋根が悉く茅からトタンに葺き替えられているのが少々残念なところではありますが、建物の形状や集落の形態は良好な状態で残されています。
民家の背後には畑が広がり、山村集落の風情を感じ取ることができます。
集落は小ぢんまりとしており、民家と田畑のほかには氏神を祀る青鬼神社がある程度。その神社も古風で質素な佇まいです。
谷戸に沿って集落の東側に来てみると約200枚もの棚田が広がります。棚田に水を引く用水路は青鬼堰と呼ばれ、江戸期に整備されたものが原型だそうです。
棚田の広がる一帯からは北アルプスの雄大な姿を見ることができます。建物や集落の形態もさることながら、伝統的な農村景や集落を取り巻く大自然との調和などが総合的に評価され、重伝建に選定されるに至っています。
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比較的小規模で質素な集落ですが、どこを切り取っても絵になるような景色が広がるのが青鬼集落の魅力。交通の便は良いとは言えませんが、訪れた者を報いる景観が待ち構えています。
(取材年月:2016年4月)
訪問ガイド
所在地
- 長野県北安曇郡白馬村大字北城17511 付近
アクセス
- JR大糸線信濃森上駅から徒歩約50分(3.5km)
・白馬駅から信濃森上経由で徒歩で行く場合は徒歩約1時間10分(5.3km)
※2020年5月現在