修景が進む切妻町家の町並み『塩沢』
塩沢(しおざわ)/新潟県南魚沼市
都市景観大賞にも選ばれた三国街道の宿場町
高崎から三国峠を経て長岡に至る旧三国街道上に位置する塩沢。宿場町の町並みは近代になって一旦は損なわれましたが、2003年に施行された県の街路整備に合わせて歴史的町並みの再現に取り組まれてきました。
町並みの再現は『雪国の歴史と文化の街』というテーマで進められ、電柱の地中化や建物のセットバック、建築意匠の統一など多岐にわたる事業が行われてきました。宿場町の町並みが再現された通りは、塩沢生まれで『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』の著者として知られる鈴木牧之にちなんで『牧之通り(ぼくしどおり)』と名付けられています。
牧之通りの起点は駅前通りと旧街道が交わる交差点。通りはここから長岡方面におよそ400mにわたって伸びています。
通り沿いには修景された妻入りの町家が連なります。沿道の建物は例外なく意匠を統一するという徹底ぶりです。
建物は道路から2mセットバックされており、歩道が広々としているのが印象的。セットバック部分には雁木が整備されています。
牧之通りから外れたところには目立った町並みはありませんが、雪吊が行われた庭木など、雪国らしさを物語る要素が点在しています。
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旧街道の修景は他に類を見ない出来であることに間違いありません。あまりの徹底ぶりに少々違和感すら覚える町並みですが、時の経過とともに地域に馴染んでいくことに期待したいところです。
(取材年月:2019年2月)
訪問ガイド
所在地
- 新潟県南魚沼市塩沢1198 付近一帯
アクセス
- JR上越線塩沢駅から徒歩約5分(0.4km)
※2020年6月現在