伊邪那岐・伊邪那美を祀る大社の鳥居前町『多賀』
多賀(たが)/滋賀県犬上郡多賀町
修景が進む表参道『絵馬通り』
滋賀県の湖東に位置する多賀は、多賀大社の鳥居前町として栄えた町です。多賀大社といえば“おたまじゃくし”の語源と言われる多賀杓子で有名ですが、伊邪那岐命と伊邪那美命の2神を祀る由緒ある大社で、古くから「お伊勢参らばお多賀へ参れ」とも謳われたほどの存在です。
そんな多賀大社の表参道である『絵馬通り』沿いには風情ある町並みが形成されています。
かつての多賀大社の表参道は中山道・高宮宿を起点に約3kmにわたって伸びていましたが、近代に入って高宮から軽便鉄道が敷設され、大社のほど近くに多賀駅(現在の近江鉄道多賀大社前駅)が設置されました。鳥居前町の町並みは多賀参りの玄関口となっている多賀大社前駅から多賀大社までの1km足らずの区間に健在しています。
多賀大社前駅に降り立つと参道に鳥居が構えており、大社に向けて早速古い建物が連なります。
千本格子や2階部の欄干などが随所に見られ、参道の趣が感じられます。
建物は民家のほか土産物店や飲食店、旅館などとしても使われているものも多く、比較的活気が感じられます。
町並みは大社に近づくに連れて、洗練された建物の外壁や道路の舗装が連なるようになります。かつては雑然とした景観だったようですが、町が主導して修景事業に取り組み、町並みの再生を図ったようです。
***
修景された景観は確かに美しいですが、大社から少し外れたあたりの素朴な町並みもまた見応えがあります。多賀を訪れる際は高宮の一の鳥居からとは言わずとも、大社前の駅から素朴な町並みから入りつつ多賀大社を詣でることをお勧めします。
(取材年月:2017年5月)
訪問ガイド
所在地
- 滋賀県犬上郡多賀町大字多賀
アクセス
- 近江鉄道彦根・多賀大社線多賀大社前駅下車、徒歩約10分(0.7km)
※2020年6月現在