袖壁付きの町家が連なる 越中『福岡』
福岡(ふくおか)/富山県高岡市
菅笠の生産・流通で栄えた町
福岡は高岡市西部の旧北陸道沿いに位置する商人町です。古くから菅笠の生産地として発展し、江戸時代には菅笠問屋をはじめとする町家が多く軒を連ねるようになったそうです。旧街道沿いには現在でも数多くの町家が残されています。
旧街道のルートを辿ってゆくと、北陸でよく見られるような袖壁の付いた平入の町家が連なる町並みが目に入ります。
特筆すべきはそのシークエンス(連続性)。デザインが共通化された町家が何軒も連続し、統一感のある町並みが印象的です。
町家の他にも蔵や往還松といった景観要素が随所に見られ、街道風情が感じられます。
町は元々小矢部川の舟運で発展してきたようですが、街道の開通後、次第に街道沿いに移ってきたとか。国道や鉄道が近くに通されたことが幸いしてか町には比較的活気があるように見受けられます。
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福岡では現在でも菅笠の生産が盛んで、全国シェアの9割を占めています。産業と町並みが一体で残されている素晴らしい町です。
(取材年月:2020年2月)
訪問ガイド
所在地
- 富山県高岡市福岡
アクセス
- あいの風とやま鉄道福岡駅から徒歩約5分(0.3km)
※2020年5月現在