漆黒の釉薬瓦が段丘に連なる船主集落『黒島』
黒島(くろしま)/石川県輪島市
北前船で隆盛を極めた日本海岸の小さな集落
北前船の寄港地ではなくとも船主集落として隆盛を極めた小さな集落が日本海岸にはいくつも存在します。その代表格の1つが能登半島に位置する黒島。同じ石川県の橋立とともに、北前船で栄えた船主集落として重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
集落は海岸段丘の段丘面に細長く伸びており、廻船問屋や商家などの古い建物が細い通りの両脇に数多く残されています。
通りを歩いてゆくと所々に視線が左右に抜ける場所がありますが、片手には日本海が、そしてもう片手には段丘崖に生い茂る草木が見渡せます。
神社の鳥居を潜って段丘崖を少し上ると、海を背景に集落全体を俯瞰することができます。
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黒島の町並みを大きく特徴づけている要素は『黒瓦』、『格子』、『下見板張り』の3点といいます。特に瓦に関しては釉薬(ゆうやく;うわぐすり)が塗られた釉薬瓦が用いられており、漆黒に輝く様は圧巻です。
(取材年月:2018年3月)
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訪問ガイド
所在地
- 石川県輪島市門前町黒島町
アクセス
- 【穴水方面から】のと鉄道穴水駅から北鉄奥能登バス穴水線で約35分、門前下車、徒歩約50分(3.9km)
・穴水~門前は1日7往復(休日は4.5往復)
・門前~黒島には北鉄能登バス外浦線がありますが、朝晩各1往復のみの運行です。穴水方面から日帰りで来訪する場合は乗り継ぎが成立しないので、門前から歩く必要があります。
・リンク:北鉄バス - 【羽咋方面から】JR七尾線羽咋駅から北鉄能登バス富来線で約1時間、富来乗換、北鉄能登バス外浦線で約1時間、黒島下車
・羽咋~富来は1日16往復(休日は8往復)
・富来~黒島は1日2往復
・富来へは北鉄能登バス富来急行線経由でもアクセス可能(1日3往復)
・富来~黒島は朝晩各1往復のみの運行のため要注意
※2020年4月現在