断崖に隔てられた日本海岸の船主集落『河野』
河野(こうの)/福井県南条郡南越前町
敦賀湾の湾口に構える海上交通の要衝
敦賀港から20kmほど北に位置する河野集落。切り立った断崖に囲まれた日本海岸の小さな集落です。
敦賀湾の湾口に位置する河野は海上交通の要衝としての役割を果たすとともに、海運業で繁栄してきました。集落には北前船で巨利を得た廻船問屋の屋敷が2件残されています。
その代表格が右近家。主屋のほか何棟もの蔵や長屋門などが保存されており、資料館『北前船主の館』として一般公開されています。
裏手の崖を上ると右近家の別荘として使われていた洋館があります。2階には周囲を一望できるベランダがあり、海岸に沿って細長く伸びる集落の構造が見て取れます。
集落を貫くメインストリートは『北前船主通り』と名付けられており、右近家の前から北に向けて伸びています。通りは細く曲がりくねっており、両側には民家の板壁や板塀が迫ります。
船主通りを進んでいくと、河野に残るもう1つの屋敷・中村家があります。こちらは内部こそ公開されていませんが、外からは3階建の立派な主屋をはじめとして豪華な建物が見られます。
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規模は決して大きくないものの濃密な景観が広がる河野。海手に国道が通されているほかは古くからの町並みや地割が原形を留めており、見応えは抜群です。
(取材年月:2016年6月)
訪問ガイド
所在地
- 福井県南条郡南越前町河野
アクセス
- 福井鉄道バス王子保・河野線で福井鉄道越前武生駅/JR北陸本線武生駅から約40分/JR北陸本線王子保駅から約20分、河野総合事務所下車すぐ
・1日5往復(休日は2往復)
・リンク:南越前町
※2020年5月現在