石畳の通りに商家が連なる城下町『三次』

三次(みよし)/広島県三次市

三次本通り
石畳の続く『三次本通り』

陰陽連絡の一大要衝

広島県北部の中心地・三次市の外れに歴史的な町並みが残る一画があります。三次は江戸期に三次藩の城が置かれて城下町として発達。その後は石見銀山街道の宿場町などとして栄え、今に至ります。

三次本通り

歴史的な町並みが残るのは三次駅の北西、江の川と支流の西城川に挟まれた一帯。江の川を渡る巴橋の袂から北に向けて伸びる『三次本通り』と『太歳通り』が町の骨格となっています。

三次本通り
三次本通り
三次本通り

通り沿いは修景が積極的に行われており、路面は石畳になっているのが特徴です。

一方、建物に目を向けてみると、袖壁が付いた商家が整然と建ち並んでいます。地元のガイドマップでは「梲(うだつ)のある町並み」として推されていますが、梲よりも袖壁のほうが圧倒的に大きく見られ、三次の町並みを特徴づけています。

三次本通り

巴橋から三次本通りを700mほど北上すると丁字路に行きつきます。突き当たりには小さな神社が構えており、通りのアイストップになっています。

太歳通り

突き当りを少し西に行くと、本通りから続く形で太歳通りが伸びています。こちらも石畳と袖壁の町並みがずらりと続きます。

太歳通り
太歳通り

通りの途中にはさりげなく鉤型があり、城下町らしい地割が残っていることが窺えます。

太歳通り
太歳通り

修景された家々の袖壁に商紋のような印が描かれているのがこの町の洒落たところ。どのような経緯で描かれるようになったのかは不明ですが、1軒1軒じっくりと目を凝らしたくなる面白い仕掛けです。

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かつてこの近辺にはJR三江線の尾関山駅があり、町が三次から石見方面へ通じるルート上にあることを強く感じさせられましたが、三江線の廃線後は石見との結びつきが感じづらくなってしましました。そんな中で南北に長く連なる立派な町並みはかつて銀をも運んだ石見銀山街道の存在感を偲ぶ1つの手掛かりと言えるでしょう。

(取材年月:2017年9月) 

訪問ガイド

所在地

  • 広島県三次市三次町12636 付近一帯

アクセス

  • JR芸備線三次駅から徒歩約20分(1.4km)

※2020年5月現在

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