瀬戸内海に面する厳島神社の鳥居前町『宮島』
宮島(みやじま)/広島県廿日市市
多様な表情を持つ町並み
広島湾に浮かぶ宮島こと厳島。世界文化遺産の厳島神社が所在し、年間500万人近くの観光客が訪れる日本有数の観光地として知られています。そんな宮島ですが、鳥居前町として古くから形成されてきた風情ある町並みが広い範囲に健在します。
宮島の玄関口・宮島桟橋に降り立つと厳島神社に向けて白砂の参道が続きます。参道は海岸線に沿って伸び、青々とした松並木や鹿の群れ、立派な石鳥居や石灯籠などが観光客の目を楽しませています。
白砂の参道から1本内陸側に入ると『表参道商店街』があります。店舗の大半は宮島名物のもみじ饅頭や宮島杓子などの工芸品を扱う土産物店で、いかにも観光地らしい店舗構成です。
表参道商店街の特徴といえば道路を覆う白布。晴れた日には日除けとして白い布が道路上空に架けられ、独特な景観を生んでいます。
そして表参道商店街からさらに1本内陸側に入ると『町家通り』と呼ばれる通りがあり、その名の通り古い町家が軒を連ねています。こちらは表参道商店街などと比較すると観光客も少なめで、落ち着いた雰囲気を味わうことができます。
町家通りを神社のほうへ歩いてゆくと、千本格子の町家の背後に厳島神社の五重塔が聳えます。
五重塔があるのは小高い丘の上。町家通りが逸れて丘を登ると五重塔や厳島神社の本殿を一望することができます。
海手に目をやると宮島の町並みが眼下に広がり、その奥には本土へ渡るフェリーや対岸の廿日市市街を見通すこともできます。
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日中は大勢の人で賑わう宮島の町ですが、夜はひっそりと静まり返り、鹿が町中で眠る姿も見ることができます。せっかく宮島を訪れるのならば、島で一泊して夜の町を散策するのもまた一興です。
(取材年月:2017年9月)
訪問ガイド
所在地
- 広島県廿日市市宮島町
アクセス
- JR山陽本線宮島口駅または広島電鉄宮島線広電宮島口駅下車、宮島口桟橋からJR西日本宮島フェリーまたは宮島松大汽船で約10分、宮島桟橋下船
・両社とも1時間4本程度運航
・リンク:JR西日本宮島フェリー、宮島松大汽船
※2020年6月現在